第25回「草枕」国際俳句大会 事前一般部門 入賞作品
大賞他
「草枕」大賞 |
風薫る漱石囲む中に祖父 |
岡田 春人 |
(千葉県 柏市) |
中村汀女賞 |
枷いくつ絆揺るがぬ肥後の秋 |
山下 清実 |
(東京都 世田谷区) |
地下水都市・熊本賞 |
黍嵐村に最後の帰還兵 |
平村 久恵 |
(福岡県 北九州市) |
日本航空賞 |
端居して過ぎしことより明日のこと |
渡邊 佳代子 |
(熊本県 菊陽町) |
(一財)
熊本市社会教育振興事業団賞 |
野分けあと黒々と阿蘇立ちあがる |
北野 昭夫 |
(熊本県 熊本市) |
JAグループ熊本賞 |
夏潮を大きく絞る地曳網 |
大川内 みのる |
(熊本県 荒尾市) |
福井市賞 |
特攻機発ちし地に佇ち秋の声 |
岡本 和子 |
(宮崎県 高鍋町) |
松山市賞 |
涼新た星ひとつづつ語り出す |
境 眞木子 |
(熊本県 熊本市) |
(公財)JAL財団賞 |
今も母在す夏草の真ん中に |
坂田 美代子 |
(熊本県 合志市) |
種田山頭火賞 |
風を読む二百十日の漁師の目 |
前原 啓子 |
(沖縄県 中城村) |
熊本の銘菓賞 |
秋出水人智及ばぬことばかり |
花土 公子 |
(東京都 世田谷区) |
井芹 眞一郎選
特選 |
鰯雲曳きて瀬戸行く渡船かな |
松本 ゆきこ |
(福岡県 北九州市) |
入選(2人) |
芋の露零れて一句残りけり |
頓田 スミ子 |
(熊本県 熊本市) |
泳ぎ子のざんぶと水を裏返す |
山本 淑子 |
(熊本県 熊本市) |
佳作(3人) |
八月や沖に眠れる幾柱 |
松井 絹子 |
(宮崎県 宮崎市) |
一両車送れば残る芒原 |
矢代 秋 |
(熊本県 熊本市) |
島影のほかは金色月の海 |
青木 静子 |
(熊本県 合志市) |
岩岡 中正選
特選 |
門火焚く昔の猫もやつて来よ |
阿川 暢子 |
(東京都 杉並区) |
入選(2人) |
百歳の声の大きく夏来たる |
坂本 千和 |
(福岡県 福岡市) |
端居して家屋失ふ人のこと |
伊藤 広子 |
(熊本県 熊本市) |
佳作(3人) |
座敷童通り過ぎたる昼寝覚 |
梅津 智子 |
(島根県 益田市) |
穏やかに子は寝息立て終戦忌 |
桐山 甫 |
(福岡県 芦屋町) |
衣被兄の無骨を愛しけり |
木村 佐恵子 |
(熊本県 熊本市) |
宇多 喜代子選
特選 |
秋澄むや同じ水飲む人けもの |
穂苅 真泉 |
(長野県 安曇野市) |
入選(2人) |
エレベータ春の空気で浮かびけり |
川崎 岳史 |
(京都府 木津川市) |
理学部のビルの直角鵙日和 |
佐竹 佐介 |
(熊本県 熊本市) |
佳作(3人) |
胸襟に日入れ風入れ蕗の薹 |
吉田 由利子 |
(熊本県 宇城市) |
大夕焼恐竜だった日の記憶 |
渡邉 照夫 |
(埼玉県 鴻巣市) |
少女らに少女のにほひ夏来る |
古荘 浩子 |
(熊本県 熊本市) |
小川 晴子選
特選 |
大楠の変はらぬ在り処鳥渡る |
佐々木 澄子 |
(神奈川県 横浜市) |
入選(2人) |
冬麗ひなたのにほふ母の膝 |
近藤 國法 |
(宮崎県 日南市) |
母と越す大河の夢や敗戦忌 |
横田 澄江 |
(神奈川県 横浜市) |
佳作(3人) |
生涯を町医に徹し牡丹鍋 |
木庭 弘子 |
(熊本県 和水町) |
毬栗の青き未来や反抗期 |
豊田 規容子 |
(熊本県 熊本市) |
阿蘇の子の声はきはきと雲の峰 |
加藤 いろは |
(熊本県 熊本市) |
大輪 靖宏選
特選 |
ふる里はどの径ゆくも虫時雨 |
下田 浩子 |
(熊本県 熊本市) |
入選(2人) |
七夕の願ひ重たし竹たわむ |
天野 ひろ子 |
(福岡県 福岡市) |
さまざまに生きてひとつの月仰ぐ |
高木 ミツヨ |
(熊本県 玉名市) |
佳作(3人) |
五百羅漢向きそれぞれに秋思かな |
堀 志朗 |
(熊本県 熊本市) |
千代尼忌やなみなみと汲む井戸の水 |
松宮 ノブ子 |
(フランス) |
休日の布団に沈む冬深し |
山之内 崇伸 |
(愛知県 蒲郡市) |
岸原 清行選
特選 |
大阿蘇のそのさきがけの野焼かな |
有働 利信 |
(熊本県 熊本市) |
入選(2人) |
新涼や阿蘇は真白き煙吐く |
森坂 よしの |
(熊本県 熊本市) |
校庭に甘藷を植ゑし日の記憶 |
川口 二子 |
(熊本県 菊池市) |
佳作(3人) |
桐の花同じ在所の姑と嫁 |
中村 和江 |
(埼玉県 深谷市) |
虞美人草少女のままの遠き人 |
仁尾 綾子 |
(熊本県 熊本市) |
みみず鳴く墓じまひてふ墓仕事 |
川上 世津子 |
(熊本県 熊本市) |
高野 ムツオ選
特選 |
大出水それでもここで生き抜かな |
藤本 淳子 |
(熊本県 南阿蘇村) |
入選(2人) |
かなかなや部落半分山の影 |
西村 孝子 |
(熊本県 熊本市) |
どの子らも足ぶらぶらとかき氷 |
徳成 登美恵 |
(福岡県 北九州市) |
佳作(3人) |
終戦日カンナの道は今もあり |
佐藤 澄世 |
(熊本県 菊陽町) |
爽やかにスイッチバックはカルデラへ |
荒木 賢一 |
(熊本県 天草市) |
思ひ出の延長線を蜻蛉とぶ |
さとう ともこ |
(熊本県 御船町) |
寺井 谷子選
特選 |
帰省子にをとこの背筋城仰ぐ |
利光 釈郎 |
(熊本県 熊本市) |
入選(2人) |
台風の疲れ果てたるさまに過ぐ |
田嶋 啓子 |
(熊本県 苓北町) |
朴ひらく夕べは人に遠くゐて |
大即 和枝 |
(熊本県 熊本市) |
佳作(3人) |
家篭りの顔日に当てよ沖縄忌 |
富永 一也 |
(沖縄県 北中城村) |
コロナ禍やこの村誰も帰省せぬ |
東 久仁代 |
(大分県 臼杵市) |
芒原一水走るごとく風 |
中川 裕子 |
(熊本県 宇土市) |
西村 和子選
特選 |
大阿蘇の風切り裂いて夏燕 |
藤本 征男 |
(熊本県 南阿蘇村) |
入選(2人) |
火の山に貫入走る稲光 |
つのだ ともこ |
(熊本県 熊本市) |
木の葉髪切つて真珠のイヤリング |
平川 みどり |
(熊本県 南関町) |
佳作(3人) |
露けしや句帳に残る日々の些事 |
児玉 胡餅 |
(熊本県 熊本市) |
蝶となり飛ぶや前世の我が庭を |
小林 陸人 |
(福井県 坂井市) |
ひとひらの雲新涼の草千里 |
堀ノ内 和夫 |
(奈良県 奈良市) |
坊城 俊樹選
特選 |
雲の峰飽きるほど見てごろ寝する |
金子 絹代 |
(熊本県 天草市) |
入選(2人) |
荒梅雨や人は小さく泥を掻く |
白水 朝子 |
(福岡県 福岡市) |
八月来死者と生者の行き交ひて |
今中 榮泉 |
(福岡県 福岡市) |
佳作(3人) |
武士の往来の跡落し文 |
粟津 玲子 |
(熊本県 熊本市) |
SOS首ふりすぎの扇風機 |
繁田 京佳 |
(熊本県 熊本市) |
もう誰も愛さぬつもり髪洗ふ |
岩波 千代美 |
(大分県 大分市) |
星永 文夫選
特選 |
百合包む戦後を語る新聞紙 |
畑田 孝子 |
(熊本県 美里町) |
入選(2人) |
序列なく生きて咲き終ゆ彼岸花 |
坂本 節子 |
(熊本県 宇土市) |
睡蓮やまばたきほどの人類史 |
松本 みゆき |
(大分県 大分市) |
佳作(3人) |
平凡を通せば非凡草の花 |
山根 悠翁 |
(滋賀県 草津市) |
水音を束ねて白き秋の水 |
押谷 隆 |
(大分県 別府市) |
弟が前転をして秋が来た |
小室 日和 |
(愛知県 江南市) |