「くまもと俳句ポスト」第五期開函分の特選句です!
小楠に国是を問ふや蝉時雨 (宮崎県都城市 西浦征志)
【講評】
「小楠」とは横井小楠、熊本が誇る幕末の政治家・思想家のこと。明治新政府の樹立にも関与したが、キリスト教を広めようとしているなどと誤解され、暗殺された。その人の住居が秋津町沼山津(熊本市)に今も残り、四時軒という。
この句はたぶんそこに立っての作であろう。時に降るほどの蟬時雨の中、今後の日本はどうあるべきか、小楠に問うという、憂国の骨太い大夫ぶりの慨嘆がいい。
◆星永文夫選(俳誌「霏霏」主宰)
◆平成26年10月31日開函
◆投句総数 411句
次回は、2月末に開函予定です。多くのご投句をお待ちしております。